研究内容

当研究室では、超スマート社会であるソサエティ5.0の重要な構成要素であるモバイルコンピューティングシステムや無線通信システムを対象とした研究開発に取り組んでいます。理論検討からシミュレーション・実機実験による評価、ソフトウェア・ハードウェア開発まで幅広く取り組んでいます。

便利で安全安心な無線デバイス利用に関する研究

IoT技術の進展に伴いWiFiやBluetoothなどの通信機能を持つ安価なデバイスが普及しています。一方で、設置したデバイスが忘れ去られそのまま放置される場合や不正を目的としてデバイスが利用される場合、ユーザの知識不足等により安全でない方法でデバイスが利用される場合、デバイスの脆弱性が解消されないまま利用される場合等があります。本研究では、放置されているデバイスや不正なデバイスを検出し通知を行う技術の開発や、ユーザの無線利用に関する知識を高めるための教材や支援ツールの開発、さらには安全な無線通信を行うための基礎技術開発等、理論検討から実機実験まで幅広い課題に取り組んでいます。

無線を使ったセンシングに関する研究

WiFiやBlueoothなどの通信技術は広く普及していると同時に、年々さまざまな機能が追加されています。それにより、単純にデータ通信を行うだけでなく様々な情報を取得できるようになっています。本研究では、このような無線通信技術を使って、デバイス自体の状況やデバイス周辺の状況を推定する研究を行っています。例えば、WiFi環境において取得できるチャネル状態情報という情報を使ってデバイスの位置だけでなく周辺にいる人の数や人の位置を推定する研究、Bluetooth 5.1以降で追加された方向探知機能を使って人の移動方向などの状況を推定をする研究などを実施しています。これにより既存の無線インフラや無線デバイスを流用した高度な機能の提供が実現できる可能性があります。

超スマート社会実現のためのIoT/CPSシステムの開発

様々なものをインターネットに接続し収集したデータを利活用するIoT (Internet of Things) や実世界の情報を収集しサイバー空間上で分析、分析結果を実世界にフィードバックするサイバーフィジカルシステム CPS (Cyber Physical System) が注目を集めています。本研究室では身近な様々なものをIoT/CPS化するための要素技術について、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークとさまざまな面から検討しています。例えば、国の研究費の補助を受けて、養殖魚に取り付けたセンサ情報を収集するための通信の仕組みの検討を行っています。また、釣り竿、自転車、服、靴など身近なざまざまなものをIoT化する取り組みも行っています。